シリーズ第5弾実習職場紹介です。今回は「相談室」の紹介です。
どんな人が働いているんでしょうか?室長の吉野さんから話を聞きました。
吉野さん
「相談室では医療ソーシャルワーカー(略してMSW)と精神保健福祉士(略してPSW)の2つの職種が働いています」
「病気になると様々なことが変わってきます。医療に関わる治療費や生活費が足りない、介護をどうしていくか、退院後はどこで療養生活を送っていくか、また、心理面でのサポート・・・様々な困難を抱えた患者さん、家族に寄り添って、暮らしをするための生活基盤の支援、療養生活相談を行っています。新規の相談が70~80件。全体では460件ほどあります。」
雑談にこそ、患者さんを深く理解する鍵がある!
Q:「なんだかすごいことをしてますね。もっとも重要なことはなんですか?」
吉野さん
「生きる力を取り戻す、もう一回やっていけそうという力を取り戻してもらうこと、これが実はもっとも重要なポイントです。」
「困難をかかえた方ほど、連鎖的に様々なことが噴出し、からみあい、辛い思いを重ねてきて人間不信になっている方もいます。そうした人たちにサービス内容だけ提示して選んでもらうという支援では、なにも進みません。地道な面接の繰り返しの中で相手の意図をくみ取りながら信頼関係を作っていくしかありません。そうした点では、こちら側が聞きたいことを聞くだけでは不十分です。雑談にこそ患者の深い部分が見えてくるし、患者を深く理解することにつながるのでそうした点も大切にしてます。」
Q:「とても難しい仕事な気がしますがやりがいはありますか?」
吉野さん
「正解のない難しい仕事ですが、患者さんが少しでも幸せになれるとよいな、そんな思いでやっています。そのことがやりがいにつながっています。」
Q:実習にくる学生さんにメッセージをお願いします。
吉野さん
「実習する学生さんには、ソーシャルワーカーと患者さん・ご家族との面接に同伴してもらうことは可能です。また退院前の家屋評価に同行することも可能です。」
「困っている患者さんが相談や医療を受ける中で自分の人生の方向性を決めていけるようになる、そうした「たびだち」を支えられる病院です。そうしたスタッフの姿をぜひ見に来てください」
〔編集後記〕
全人的な医療、労働と生活の場で患者をとらえる、などいろいろな言い方がありますが、ソーシャルワーカーの仕事はまさにそうした面では最前線だと思いました。ちなみに初期研修医のオリエンテーションではソーシャルワーカーレクチャーは必須。生活保護制度のことや介護保険の主治医意見書の書き方などたくさんのことを教えてもらいます。
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