2020年10月14日水曜日

Covid-19と心肺蘇生



 

はじめまして。研修医1年目の中土居と申します。 
先日開催された、Covid-19 の患者に対する心肺蘇生訓練の様子をお伝えします。
 


 
心肺蘇生において最も優先すべきは、まず処置の前に自分の身の回りの安全を確保することであるとされています。Covid-19の疑いのある患者に蘇生措置を施す際には、まず医療者自身の徹底した感染予防策が必要です。その時にスムーズかつ安全に蘇生措置ができるよう、研修医も参加しての訓練が行われました。 
 
患者に接触する前にFull PPEを装備します。
頭から足首までを覆い尽くす青いつなぎの服を着用し、N95マスク、フェイスガードを身につけ、更に手袋は二重にしてテープで固定するという徹底ぶりです。この準備が素早くできなければ、かなりのタイムロスになります。

Full PPEを素早く着るのも訓練のひとつ
 
 
 ベッドサイドでのシミュレーションでは蘇生措置のリーダーを任されました。通常の蘇生措置と異なり、Full PPEを着用した少数の人だけが患者に接触できるので、リーダーには状況を把握して的確に支持を出す能力がより一層求められます。気合いを入れて挑戦しましたが、途中で混乱してしまいました。これはまだまだ修行が必要そうです...  

「次はどうしますか、先生?」「......」
 
 続いて、救急外来にて、気管挿管シミュレーションです。この時には特にエアロゾルが発生しやすい状況になります。当院では、透明なプラスチック板とビニール袋を組み合わせた「まもる君」で患者の頭部を覆って、エアロゾルの拡散を防止します。
 
 
患者の頭部を覆う「まもる君」
 
はじめに訓練をしたのは、研修医2年目の林先生と1年目の窪田先生。林先生が気管挿管を、窪田先生が周辺機器操作を担当します。息の合った連携を披露してくれました。
 
 
林先生(右)窪田先生(左)
 
 私とペアで訓練したのは研修医2年目の山中先生。こうすればよりスムーズに挿管操作ができるのではないか、という意見や質問を積極的にされていました。先輩の経験値の高さを感じさせてくれました。
 
 
 
山中先生(右)
 
 
 4月に研修医になって以来、色々な処置や手技を経験して、その度に、失敗の壁に当たってきました。総合診療部の上級医の塚原先生には、成功のためには前準備がとても大切だというアドバイスをいただきました。今回の訓練でも、それは変わらないと感じました。コロナ禍の特殊な状況下であろうとも、万全の前準備をして、憂いなく本番に挑めるよう、練習に励みたいと思います。

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